最近では、企業の研修でも取り入れられているアンガーマネジメント。
子育て中の私からしてみれば、今更??と思ってしまいます。
というのも、子供はかんしゃくを起こしたり、怒り任せに人をたたいたり、意地悪をしたりすることはよくあること。
その感情をどう対処すればいいのか、教える立場になってみて
「感情をコントロールするのは、社会に出る前に身に付けることじゃん!!」って、ひしひしと感じました。
そう思いつつ、私は短気で、結構ちょっとしたことで機嫌が悪くなります。
そして、問題の「怒りを感じたら、6秒数える」ですよね。
私は6秒待ったら、怒りを爆発させてました。
つまりが一気に放出されるように反射的に怒る時より、さらに強い怒りを感じて自己嫌悪も最高MAX。
自己肯定感、駄々下がりで辛い日々を過ごしていました。
私なりに別の方法で克服しつつあるので、その方法をご紹介します。
(*専門家の監修ではなく、あくまでも個人の見解なので参考にしてください。)
感情をコントロールする秘訣
ただ書籍などからアンガーマネジメントの情報を仕入れて実践しても、うまくいかないのはなぜなのか。
それは、きちんと理解できていないから。
上手くコントロールするためには、脳の仕組みを知ることから始めるのが秘訣なんです。
脳は、理由や理屈がわかることで納得できます。
仕組みや理屈がわかっていると、冷静な判断をしやすくなるのです。
感情というのは見ることも触ることもできない感覚。
人によって、感じ方や捉え方は千差万別ですね。
見ることも触ることもできない感覚を「なんとなくこんな感じかな?」と、小手先のテクニックでどうこうしようとしても、変えることは難しいのです。
人間は感情の生き物なので、完全にコントロールするのは難しいですが、訓練を重ねていくことでコントロールできるようになっていきます。
脳が怒りをコントロールする仕組みとは?
怒りとその怒りをコントロールするには、脳の「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)」と「大脳新皮質(だいのうしんひしつ)」「前頭葉(ぜんとうよう)」という部位が働きます。
感情を司っているのが、大脳辺縁系。
その感情をコントロールするための知性が大脳新皮質、理性を司っているのが、前頭葉。
何かの事象によって怒りの感情が大脳辺縁系で生まれると、
大脳新皮質や前頭葉が、知性や理性を使って感情を抑制し、冷静な判断をする。
という仕組みになっています。
なぜ6秒なのか
そもそもなぜ6秒と言われているのか、ひも解いていきます。
通常は前頭葉の理性によって、感情をコントロールされているのですが、突発的・衝動的に起こる、強い怒りの感情には、すぐに対応できないのだそう。
このことから、衝動的な怒りを感じたときは、物や人に八つ当たりをしてしまったり、本心ではないことを思わず口にしてしまうという自体が起きてしまうのです。
怒りの感情と理性が発動するのには、タイムラグがあるということになります。
科学的にはっきりと定義はできないようですが、前頭葉が感情をコントロールできるように活動が始まるまで、3~5秒程かかるようです。
なので、理論上は6秒待てば、冷静な判断ができるようになると考えられているのですね。
怒りと言っても、「ちょっとイラっとした」時や、「じわじわとこみ上げる怒り」の場合は、ある程度冷静に対処できますよね。
この時の感覚を思い返してみると、なるほど!と思いませんか?
6秒待っても怒りがおさまらない原因は?
結論から言うと、「ただ、我慢しているだけだから」
改善方法・対策を講じることなく、ただ待っているだけだから、おさまらないのではないでしょうか。
怒りからは怒りしか生まれません。
無理に抑え込んだとしても、いずれ吹き出してしまうタイミングが来ます。
怒りはため込むと、精神的にも大きなストレスがかかりますし、より大きな衝動としてコントロールが難しくなっていくので、早急に対策を練る必要がありますね。
怒りをコントロールするための「思考の仕分け」
「怒りスイッチ」がどこなのか把握する
怒りの感情が発動するスイッチは、人それぞれ。
あなたはどんなことで、イライラしますか?
あなたのこだわりや、許容範囲はどのくらいなのか把握することがポイントとなります。
例えば、私は主婦をしているので、普段感じるイライラを例に挙げてみます。
- 靴は脱ぎっぱなしで、揃えない。
- 服も脱ぎっぱなしで、洗濯物に出さない。(着るものがない!とキレられることも…)
- 歯磨きをしない
などのように、ささいなイライラから、本当にやめてほしい!なんとかならないの!?と感じていることをリストアップします。
自分の許容範囲はどのくらいなのか、可視化して確認をしましょう。
許せる~まぁまぁ許せるの範囲を広げる
怒りやすい人とあまり怒らない人の違いは、この許容範囲の幅にあります。
怒りやすい人は、許せる~まぁまぁ許せるの範囲が狭いことが原因になっています。
完璧主義や真面目でストイックな性格も、この許容範囲が狭い傾向にあるので、イライラしやすい原因になっていることが多いです。
許容範囲を把握できたら、次にどのように行動するといいのか説明します。
怒りをコントロールするための「行動の仕分け」
怒りを怒りのままにしてしまうのが、おさまらない原因になっているので、
良き方向に向かうよう改善・工夫するのがポイントです。
しかし、自分一人の努力だけでは、改善できないこともありますよね。
その時は、相手が協力しやすいような環境を作ったり、提案を考えていくことになります。
そのための判断基準として、
- 自分がコントロールできるものなのか
- 自分がコントロールできないなら、どう捉えれば楽になるのか
- 重要かどうか
- 重要ではなく放っておいても大丈夫かどうか
を元に、先ほど「思考の仕分け」で説明した例を元に考えてみます。
靴は脱ぎっぱなしで、揃えない
【自分がコントロールできること】
- 注意をして揃えるようにしてもらう。
- なぜ揃える必要があるのか説明して納得してもらう。
【自分がコントロールできないなら、どう捉えるのか】
- ちゃんと帰ってきてくれるからいいか。
- 靴を揃えることより、他のことをできるようになって欲しい。
⇓⇓⇓
よって、靴を揃えることは重要ではなく、放っておいてもいいことにする。(とりあえずね)
服も脱ぎっぱなしで、洗濯物に出さない(着るものがない!とキレられる)
【自分がコントロールできること】
- 注意をして片付けるようにしてもらう。
- なぜ片付けたり、洗濯物に出す必要があるのか説明して納得してもらう。
【自分がコントロールできないなら、どう捉えるのか】
- ちゃんとお風呂に入ってくれればいいか。
- 着るものがないと言われても、洗濯に出さないんだから自業自得だよぉ~。私は毎日洗濯してるしぃ♪と言ってみる。
⇓⇓⇓
早急に直す必要があるわけではない(重要な事ではない)が、自分でしたことの責任をとらせる。ということを教える。
歯磨きをしない
【自分がコントロールできること】
- 注意をして歯磨きをしてもらう。
- 使い心地のいい歯ブラシや歯磨き粉を一緒に選ぶ。
- 歯磨きをしないとどうなるのか説明をする。
【自分がコントロールできないなら、どう捉えるのか】
- 1日歯磨きしないくらいで歯を失うわけではないと割り切る。
- 実際に虫歯になって嫌な思いをするのも経験の一つと割り切る。
- 歯医者の定期健診を受ける
⇓⇓⇓
なるべく早く習慣をつけて欲しい重要な事。
歯磨きをしようと思える環境づくり、歯医者に通うなどのフォローをする。
怒りを生まないために「使う言葉」や「話し方」にも注意しよう
- ~べき
- 絶対
- 常識的に考えて
- 普通は~
これらの言葉は避けるように心がけましょう。
自分の価値観を押し付けてしまっていることになります。
自分が正しいと思っていることは、相手にとっては良くないことだと考えていたり、
相手にとってのタブーは、あなたにとっては、なんの問題もないことがあります。
国によって、常識や習慣は全く違いますよね。
それと同じことが、日本人同士でも起こりうるということを、理解しておきましょう。
上記の言葉をよく使ってしまうことがあれば、別の言い方で説明できるように、紙に書き出しておくのも有効です。
頭で考えているだけでは、なかなか会得するのは難しいです。
自分の考えを可視化して、客観的に見ることが、感情や行動をコントロールできるようになる足がかりになります。
怒っている時は、声が大きく語気が強くなったり、顔がこわばっていることがあります。
怒りを感じた時は、前頭葉の活動がスムーズに発動されるように、とにかくゆっくり話すようにすると、
怒り任せに声を荒げることを防ぐことができます。
言葉自体の意味よりも、「どのような言い方・話し方をしているか」という印象が重要でもあります。
すぐに習得するのは難しいですが、ゆっくり話す、声のトーンを下げて話す訓練を重ねることで、徐々にできるようになってきますよ。
まとめ
感情のコントロールは難しいですよね。
書籍や巷で言われている方法を試しているのに、一向に良くならない。
そんな時は、脳のメカニズムから理解を深め、理屈を理解してから再度取り組んでみてください。
怒りを感じても、脳の大脳新皮質が怒りを感じたぞ!
6秒後に前頭葉の抑制機能が効いてくるはず!
と、怒っているはずなのに、自分の脳を分析している!?なんてことが起こるかもしれませんね。
そうなってしまえば、アンガーマネジメントの習得も、そう遠くは無いでしょう~☆
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